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新規事業を推進する際、ユーザーインタビューは顧客理解を深めるために欠かせない手法です。しかし、実際には多くの新規事業担当者がユーザーインタビューを実施しても、本質的な顧客課題を十分に把握できていないケースがあります。ここでは、その原因を分析し、効果的なユーザーインタビューの進め方を解説します。
新規事業担当者はインタビューの際、「現在の課題は何ですか?」といった抽象的な質問に偏りがちです。しかし顧客自身が課題を明確に意識していない場合は、そうした質問だけでは本質的なニーズを引き出しにくくなります。
そこで重要なのが、課題がどれほどの影響を与えているかを量的に捉えることです。具体的には、以下の観点で情報を収集します。
これらの「量的ペイン」を把握することで、解決の優先順位を明確にできます。
インタビューによって課題の存在が浮かび上がっても、裏付けとなる量的データが不足していると、課題の深刻度や解決のインパクトが曖昧になりがちです。
たとえば「作業が大変」「手間がかかる」という表現だけでは具体性が乏しく、どれほどのリソースが浪費されているかを判断しづらくなります。次のような数値を引き出す質問を設定すると、課題の重要性が明確に示せます。
顧客課題を正確に把握するためには、量的データの収集が欠かせません。具体的には、以下の指標を確認することで、課題の深刻度や解決の優先順位を判断できます。
また、顧客がその課題に十分なリソース(時間やコストなど)を投下していない場合は、その課題が顧客にとって本当に深刻なものかどうかを再検討する必要があります。解決に値する課題か否かを見極めるうえでも、量的データは非常に重要です。
「いつ」「どこで」「どのように」課題が発生しているかを具体的に掘り下げて質問します。たとえば、
といった問いを用いると、顧客の行動を細かく把握しやすくなります。
顧客の回答を数値化することで、課題を客観的に分析できます。たとえば、
など、具体的な数値をヒアリングしていくことで、課題の大小や改善効果をより明確に測定できます。
インタビューで得た数値データは、グラフやチャートなどを活用して可視化し、チームメンバー全員で共有しましょう。課題の強さに対する共通認識を持つことで、解決策の検討や意思決定がスムーズに進みます。
たとえば、Findが提供するサービスの一例として、忘れ物の仕分け業務に関する事例があります。以下の記事では、忘れ物の仕分けに何人の鉄道会社スタッフがどれだけの時間をかけているかといったデータが量的に示されており、その「量的ペイン」を可視化することで、忘れ物仕分け業務効率化の必要性(ニーズの強さ)が明確になりました。
https://note.com/find_info/n/n476ca2ef629f
ユーザーインタビューで得られる情報を的確に活かすためには、課題を量的に捉える視点が欠かせません。時間、手間、心理的負担などの具体的なデータを引き出すことで、課題の優先順位を明確にし、より効果的な解決策を提案できます。また、課題に対して顧客がどの程度リソースを費やしているかを知ることで、その課題が本当に解決すべき価値のあるものかどうかを見極めることも可能です。
新規事業の立ち上げや商品開発を進めるうえで、ユーザーインタビューは欠かせないスキルです。しかし、具体的にどのように進めればいいか分からなかったり、インタビューの質をもっと高めたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
bridgeでは、ユーザーインタビュー初心者向けに「インタビュー実践研修」を提供しています。この研修では、以下のようなポイントを学ぶことができます。
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