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BCGマトリクスとは?企業戦略に役立つ分析手法

1. はじめに

企業は多くの製品やサービスを扱っていますが、全てが同じように利益をもたらすわけではありません。売れ筋の商品もあれば、あまり利益を出せない商品もあります。

では、どの製品に重点を置き、どの製品に投資すべきかをどう判断すればよいでしょうか?ここで有効なのがBCGマトリクスという考え方です。この考え方を使うと、商品やサービスが企業にとってどれくらい重要かを分析し、どのように戦略を立てるかを考えることができます。

この記事では、BCGマトリクスの基本的な考え方とその活用法について、わかりやすく解説します。

2. BCGマトリクスとは?

BCGマトリクスは、企業が扱っている製品やサービスを「市場成長率」と「市場シェア」の2軸で分類し、どの製品に力を入れるべきかを判断するためのためのフレームワークです。このフレームワークは、アメリカの経営コンサルティング会社「ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)」によって考案されました。

このマトリクスは、製品やサービスを「市場成長率(どれくらい市場が成長しているか)」と「市場シェア(どれくらいその商品が売れているか)」の2つの軸で分類します。この2つの軸を基に、製品を4つの象限に分類し、製品やサービスがどの象限に位置するかを見て、その後の戦略を考えます。

3. BCGマトリクスの4つの象限

BCGマトリクスでは、製品やサービスを以下の4つの象限に分類します。それぞれの象限に名前がついていて、「問題児」「花形」「金のなる木」「負け犬」と呼ばれます。これからその4つについて説明していきます。

1. 問題児

問題児とは、成長している市場にあるけれど、まだ十分な市場シェアを持っていない製品やサービスのことです。たとえば、企業が新たに市場に投入したばかりの製品などが「問題児」に当てはまります。

問題児を「花形」へと成長させるためには、マーケティングやプロモーションに積極的な投資が必要です。ただし、リスクも伴うため、成長市場における競争環境をよく理解した上で慎重に戦略を練る必要があります。

2. 花形

花形は、市場成長率も高く、かつ市場シェアも大きい製品やサービスのことを指します。これらの製品は、企業の主力商品として注目を集めており、現在の利益を支える重要な存在です。

しかし、競争が激しい市場にあるため、継続的に投資して成長を維持する必要があります。

企業は、花形製品に積極的に資金やリソースを投入し、さらなるシェア拡大を目指します。同時に、競合他社の動向に対しても敏感に対応することが求められます。

3. 金のなる木

金のなる木は、市場成長率は低いものの、市場シェアが大きく、安定的に利益を生み出している製品です。たとえば、長く売れ続けている定番製品がこれに当たります。金のなる木は、多くの利益を生み出すため、企業にとっては大切な存在です。しかし、市場自体が成長していないため、新しい市場での戦略が必要かもしれません。

この象限に分類される製品から得た利益を、成長性の高い「問題児」や「花形」に再投資することで、企業全体の成長を支える戦略が一般的です。

4. 負け犬

負け犬とは、市場成長率も低く、市場シェアも小さい製品やサービスです。これらの製品は、企業にとって大きな利益をもたらす可能性が低いため、場合によっては撤退することも考えた方がよいかもしれません。負け犬の商品にリソースを使いすぎると、企業全体の成長を妨げることもあります。

ただし、場合によっては市場ニッチや特定の顧客層に対して新たな価値を提供することで、再成長を目指す選択肢もあります。

4. BCGマトリクスの活用方法

BCGマトリクスは、企業が限られたリソースをどの製品やサービスに集中させるかを考えるための強力なツールです。これを使うと、製品ごとのポジションや成長可能性が視覚的にわかりやすくなり、適切な投資判断が可能になります。実際にマトリクスを活用する際のプロセスを、もう少し詳しく説明します。

「問題児」への投資判断

「問題児」は、今後成長する可能性があるものの、現時点では利益を生んでいない製品です。成長市場での競争に勝つために、適切なタイミングで資金を投入し、市場シェアを拡大することが必要です。ただし、失敗するリスクもあるため、過度の投資は避け、慎重に市場を観察しながら進めることが重要です。

「金のなる木」の利益最大化

「金のなる木」は、利益を安定的に生み出す製品であるため、効率的な運用を行うことが重要です。生産コストの削減や業務効率化により、利益率をさらに高める戦略を取ります。この利益を「問題児」や「花形」に再投資し、企業の将来的な成長を支えます。

全体のバランスを考える

BCGマトリクスを使って企業全体の製品ポートフォリオを見渡すことで、短期的な利益と長期的な成長のバランスを取ることができます。全てが「問題児」では利益が得られず、逆に「金のなる木」ばかりでは将来の成長が見込めません。そのため、複数の象限に製品が分散されるようなバランスを保つことが理想的です。

 

5. おわりに

BCGマトリクスは、企業が持っている製品やサービスの現状をわかりやすく分析するためのツールです。このマトリクスを使うことで、企業はどの製品に力を入れるべきか、どの製品に資金を投入するかを考えやすくなります。

特に競争の激しい現代社会では、戦略的な判断が求められます。BCGマトリクスをうまく活用して、会社や事業の成長を加速させましょう。

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