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ECRSとは？業務効率化のカギを握る４つの原則

2024.08.29

昨今のビジネス環境では、競争力を維持し、成長を続けるためには業務効率化が欠かせません。しかし、「効率化」と言っても、具体的に何から手をつければいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。そこで注目したいのが「ECRS（イクルス）」というフレームワークです。本記事では、このECRSの概要や活用方法について、具体的に解説します。

ECRSとは？

皆さんは日々の業務の中で、「この作業、本当に必要？」「もっと効率的にできないかな？」と思ったことはありませんか？そんな悩みを解決するのに役立つのが、ECRSというフレームワークです。

ECRS（イクルス）とは、業務プロセスの効率化を図るための考え方で、4つの英単語の頭文字をとって名付けられました。具体的には、Eliminate（排除）、Combine（結合）、Rearrange（入れ替え）、Simplify（簡素化）の4つです。

このフレームワークは、特に製造業やサービス業での改善活動でよく使われています。しかし、実はどんな業種や職種でも応用できるフレームワークです。

ECRSを使うと、業務の無駄を減らし、より効率的に仕事を進められるようになります。「働き方改革」が叫ばれる今、このECRSの考え方を知っておくと、きっと役に立つはずです。

それでは、ECRSの4つの原則について、具体例を交えながら詳しく見ていきましょう。

ECRSの４つの原則

ECRSの4つの原則は、それぞれが独立しているわけではありません。むしろ、お互いに関連し合って、相乗効果を生み出すのが特徴です。以下では、各原則について詳しく解説していきます。皆さんの日常業務に当てはめて考えてみてください。

　◯必要かどうか見極める：Eliminate（排除）

ECRSの最初のステップは、「Eliminate（排除）」です。これは、「本当に必要な作業かどうか」を見極め、不要なものを取り除くことを意味します。

例えば、毎週作成している報告書。「誰も読んでいないんじゃないかな…」と思ったことはありませんか？そんな時こそ、その報告書が本当に必要なのか、同じ情報を別の方法で得られないかを考えてみましょう。

不要な作業を減らすことで、作業時間が短縮され、他の重要な業務に集中できるようになります。「当たり前」と思っていた作業も、時には疑ってみる勇気が大切です。

　◯似ている業務をひとつにまとめる：Combine（結合）

次は「Combine（結合）」です。これは、似たような業務や作業をまとめることを指します。

たとえば、営業部門と企画部門で別々に行っている市場調査。これを一緒に行うことで、情報の共有がスムーズになり、調査の重複も避けられます。また、複数のツールやシステムを使っている場合、それらを一つにまとめることで、管理の手間やコストを削減できるかもしれません。

「結合」を考える際は、部門や個人の垣根を越えて、会社全体の効率を考えることが大切です。

　◯プロセスの見直しを行う：Rearrange（入れ替え）

3つ目は「Rearrange（入れ替え）」です。これは、業務の流れや手順を見直し、最適な順序に並べ替えることを意味します。

例えば、商品の企画から販売までのプロセスを考えてみましょう。従来の順序では、企画→デザイン→製造→マーケティング→販売という流れだったとします。しかし、マーケティングを企画の前に持ってくることで、顧客のニーズをより反映した商品作りができるかもしれません。

作業の順序やタイミングを調整することで、全体の効率が上がり、よりスムーズな業務遂行が可能になります。

　◯誰でもできる状態にする：Simplify（簡素化）

最後は「Simplify（簡素化）」です。これは、業務を誰でも簡単に行えるようにすることを目指します。

複雑な作業手順をシンプルにしたり、詳細なマニュアルを作成したりすることで、新人でもすぐに業務に取り組めるようになります。また、複雑な業務をシンプルにすることで、ミスの発生を減らすことができます。

例えば、複雑な承認プロセスを簡素化したり、使いやすい業務システムを導入したりすることが考えられます。「誰でもできる」状態を目指すことで、業務の質を保ちながら、効率も上げることができるのです。

ECRSを取り入れるメリット

ECRSを実践することで、様々なメリットが得られます。

時間とコストの削減：無駄な作業を減らし、プロセスを最適化することで、作業時間やコストを大幅に削減できます。その結果、より価値の高い業務に時間を使えるようになります。
業務の品質向上：シンプルで分かりやすい業務フローは、ミスを減らし、業務の質を高めます。また、業務の標準化にもつながり、一定の品質を保つことができます。
社員の満足度向上：無駄な作業が減り、効率的に仕事が進められるようになると、社員のストレスも軽減されます。「やりがい」を感じられる仕事に集中できるようになり、モチベーションの向上にもつながります。
柔軟性の向上：業務プロセスがシンプルになることで、環境の変化にも柔軟に対応できるようになります。急な変更や新しい要求にも、素早く対応できるようになるでしょう。

ECRSを活用する際のポイント

ECRSを効果的に活用するためには、いくつかのポイントがあります。

全員の理解と協力を得る：ECRSは一人で行うものではありません。チーム全体、さらには会社全体で取り組むことが重要です。そのためには、ECRSの意義や目的を全員が理解し、協力することが成功の鍵となります。
定期的な見直しを行う：一度改善を行ったから終わり、ではありません。定期的に業務プロセスを見直し、さらに効率化できるポイントがないか探ることが大切です。環境は常に変化しているので、それに合わせて継続的に改善を行いましょう。
小さな改善から始める：いきなり大きな変革を行うのは難しいものです。まずは身近な小さな改善から始めてみましょう。小さな成功体験を積み重ねることで、より大きな改革にも挑戦できるようになります。
数値化・可視化を心がける：改善の効果を数値化したり、可視化したりすることで、成果を実感しやすくなります。例えば、作業時間の短縮や経費の削減額など、具体的な数字で示すことができれば、モチベーションの維持にもつながります