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bridge代表の大長が、株式会社ビザスク主催のセミナーで「新規事業で成功している企業の5つの特徴〜新規事業の成否は“新しい組織能力”にある〜」を講演し、270名強がオンライン参加しました。
セミナー前半は、新規事業が生まれる組織や仕組みづくりのポイントについて話し、後半は参加者からの様々な質問に答えました。
今回はそのエッセンスをご紹介します。
なお、セミナーでご紹介した成功企業の5つの特徴やアンケート結果の詳細については、以下のレポートをご覧ください。
新規事業創出のコンサルタントとして、人材育成や事業モデルの仮説検証をする中で気付いたことがあります。
それは、事業創出活動を受け入れる側の土壌、つまり「組織」の重要さです。
新規事業を創るために、個人やチームとしてのスキル獲得、方法論を学ぶことは、大勢の「人」が取り組んでいます。
しかし、それらを市場化・事業化する際には、「組織」と結合することが必要です。
企業がもっている、顧客・組織能力・経営資源といったアセットを利用しなければならないからです。
結合をよりスムーズにするためには、新規事業の探索と組織変革をセットで進めていくことが重要です。
新規事業を生みだす際に、組織の課題としてあげられるものは、以下の5つにカテゴライズできます。
これら5つについて、実際の企業の取組を例に上げて解説しました。
更に、この5つの領域をブレイクダウンした「Innovation Index 25」も紹介しました。組織の状態を可視化して、すべきアクションを特定するためのツールを25個に分類したものです。
この指標をつかって、自社のイノベーションを推進する要因や阻害要因等を特定し、それに対してアクションをおこす方法についても説明しました。
新規事業が生まれる組織づくりの状況を明らかにするためにbridgeが実施したアンケート(300名回答)について、ハイライトを紹介するとともに、結果からみえた成功企業の5つの特徴を解説しました。
・「成功を実感できていない企業」は約7割。
・一方、「成功している」と回答した企業のうち、74.5%が主力事業がうまれていると回答。
・bridgeの「新規事業を生む組織の25要素」の取組み状況について、新規事業が「成功している」と回答している企業群の特徴は以下の5つ。
また成否に関わらず、新規事業を促進するためには「新規事業への取組の意義や目的を全社で共有する」ことが最も求められている、という特徴も共有しました。
一方「成功を実感できていない企業」についても、8パターンにわけて、イラストを使ったスライドで紹介しました。
A、リーダーのみ先行タイプ
B、目標とKPI一人歩きタイプ
C、実践不足ガリ勉タイプ
D、新規事業やった気分タイプ
E、モチベーション空回りタイプ
F、リーダー不在出口迷子タイプ
G、孤軍奮闘属人化タイプ
H、新規事業ビギナータイプ
セミナー後半は、参加者からの質問に答えました。
Q.新規事業の領域は、どの程度の粒度で設定すべきですか?
A.業界によって変わります。どんな粒度がいいか、考えることが大事です。市場のトレンドから考える方法や、自社のコアバリューから考える方法もあります。事業のタイプによって議論したほうが良いと思います。
Q.新規事業に取り組む際、人的リソースを社外から集めるときに注意する点はありますか?
A.新規事業は役割分担が難しいです。ゴールも変わりますし、朝令暮改を繰り返すことになります。社外から人をアサインする場合は、横断的に伴走してくれる人がよいと思います。このようなプロジェクトスタイルになることを予め伝えてから、入ってもらうことが大事です。
他にも、モチベーションを下げない撤退戦略等、参加者からは次々と質問があがりました。
新規事業の創出に奮闘する、多くの方々の熱い思いを感じるセミナーとなりました。
<株式会社bridge>
大長 伸行 プロジェクトデザイナー
2017年株式会社bridgeを創業。 多様な業種、組織の200を超える事業開発プロジェクトを横断し得た数々の失敗経験を形式知化し、新規事業の創出とイノベーション組織づくりを支援する。 また多くのリーダー、起業家に関わる中で、彼らの内面によりそったサポートのあり方を模索し、コーチとしても活動中。