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講師が所属する企業bridgeが、500を超える新規事業プロジェクトのコンサルティング・伴走を実施して見えてきたのは、「早くつくり、失敗し、学ぶことのできる人材」の重要性でした。
そして、その人材に必要なスキルが「プロトタイピング」です。プロトタイピングは、頭のなかにあるイメージを形にしたり体験したりすることで具現化し、周りを巻き込みながら学習して進めていくことができる、新規事業に必須のスキルです。
テクノロジーの進化などにより、デザイナーやエンジニアのような「ものをつくれる」人たちではない人も、プロトタイピングが簡単に行えるようになってきています。ただ、ものづくりへの抵抗感からなかなか最初の一歩が踏み出せないケースが多々あるのが現実です。このような状態で、今までにないアプローチが必要とされる新規事業に取り組んでも、その成功確率は低いことが危惧されます。
本講座では、ノンデザイナー・ノンエンジニアである新規事業開発担当者、DXプロジェクトの推進者を受講対象に、プロトタイピングの概要の理解とデジタルプロトタイピング手法の実践を通じて、デジタルプロトタイピングを自分の新規事業や新プロダクトで実施できるような状態を目指しました。
講師は、多数の企業でのプロトタイピングコンサルティング、学術機関でのプロトタイピング研究の実績のあるbridgeの三冨が担当しました。
前半の講義では、プロトタイピング概要と、プロトタイピングを実施するポイントをお伝えしました。「開発プロセス」と「分類」について解説し、チームごとにアイデア創出を行いました。
後半は、プロトタイピングの設計や構築、インタビューのやり方についてレクチャー。ワークシートを記入しながら、インタビューでデータを集めて評価してもらいました。最後はチラシプロトタイプを作成し、各チーム発表をしました。
・プロトタイピングのそもそもの範囲が思っていたよりも広い事、またその種類と適切なフェーズなど、今まで何となくやっていた事がしっかりとまとまっており、とても役に立ちそうです。
・仕事で新規事業開発を行うことになり手探りで進めていたところが非常に多く、特にプロトタイプをどういったシーンでどういったレベル感のものを使うのが良いのか、この講義から得ることができました。
・仮説を検証する上で、検証結果をどう上層部含めて説明するのか難しいと感じていましたが、先に評価軸と尺度を定めて合意するということは良い考えだと思ったので取り入れたいです。並行的にプロトタイプを作り、検証するといった発想がなく、1つに絞るものだと思い込んでいたので、新しい気づきでした。
・ワークショップを通じてたくさんの学びを得ることができました。世の中に出てきている製品が、多くのアイディアの中の生き残りとしてとらえることができるようになるかと思いますので、日々の生活を通じても、より学んでいきたいと思います。
三冨 敬太 (みとみ けいた)
株式会社bridge/S&D Prototyping株式会社 代表取締役
2021年より株式会社bridgeに参加。プロトタイピングを短期間で身につける実践型研修「The Prototyping Learning Sprint」などを推進。プロトタイピング専門会社S&D Prototypingを創業。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科でプロトタイピングを研究。サイゼリヤがとても好き。
三冨敬太、初の著作『失敗から学ぶ技術 新規事業開発を成功に導くプロトタイピングの教科書』(2022/9/20発売)
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▼三冨講師の連載:民主化する「プロトタイピング」の新潮流▼
大長 伸行(おおなが のぶゆき)
株式会社bridge 代表取締役 プロジェクトデザイナー
2009年よりデザインファームのコンサルタントとしてデザイン思考を活用した商品・サービス開発、イノベーション人材育成プロジェクトをリード。2017年1月株式会社bridgeを創業。多様な業種、組織の200を超える新規事業・人材開発プロジェクトを横断し得た数々の失敗経験を形式知化し、企業内新規事業の創出とイノベーション組織づくりを支援する。特技は、後先考えずに安請け合いすること。