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企業内の新規事業づくりに特化した日本初のオンラインコミュニティ「Ventures Academy(ベンチャーズアカデミー、以下VA)」で2021年11月よりスタートした新規事業開発を行うインキュベーションプログラムが2022年3月終了し、参加企業の発表会がありましたので実施レポートをいたします。
多様な参加者・エキスパートのフィードバックを通じて、ビジネスアイデアを磨き込む4ヶ月の学習プログラムです。
セッションごとに用意された動画による事前学習、BizMakeを活用した参加者間での相互フィードバック、スタートアップ実践者や専門家への壁打ちを通じて自身のアイデアをブラッシュアップします。
参加者には検討中のアイデアを磨き込む機会として、これまで学習した方法論やメソッドを実践体得する機会として、本プログラムを活用いただきました。
株式会社ネクスウェイ、塩野義製薬株式会社、ミズノ株式会社
最大3名ずつの5チームが参加しました。
全4回のセッション(リーンキャンバス/サービスコンセプト/検証設計とインタビュー手法/プロトタイピング/ピッチ)を通し、最後は外部審査員とVAメンバー向けのファイナルピッチを行いました。
VA事務局メンバーによる個別サポート(ランチセッション、実行上の課題出し、リスクや注意点の指摘・ネットワークの紹介など)も行いました。
VAメンバーが最終発表した事業案の内容を一部ご紹介します。
チーム①「しあわせに働くためのAI休暇コンシェルジュサービス」
日本の有給休暇取得率は、諸外国と比べ最低レベル。祝日を含めた日本の年間休日が著しく少ないわけではないですが、有給取得率を上げることは日本企業にとって伸びしろになるのではないかと考えました。そこで、「もっと休んで欲しい/休みたいというその願い、あの手この手で科学的に支援します」をコンセプトに、AIを活用し、会社・個人の事情をインプットしたうえで、それぞれの事情に適したアクションを行うサービスを提案しました。今後はターゲットを絞って検証を進め、複雑な問題を紐解く一助になることを目指します。
チーム②「“すぐ転職しない人”のための理想のキャリア発見支援サービス」
大手企業でさえ起こる早期退職の波。終身雇用が崩壊し、若手社員も約3割の人が転職を視野に入れながら仕事をしているという調査結果があります。そこで、新卒で大手IT企業に入った非専門職の20代~30代前半などをターゲットにヒアリングを実施。その結果をもとに、理想のキャリアを見つける支援サービスを考えました。その人の価値や経験と世の中にある求人情報を分析し、その人が目指したいと思えるキャリアを言語化して提示することで、その人自身が気付いていない可能性を見つける支援を目指します。
チーム③「ムスリムへの日本食販売事業」
訪日ムスリムは、日本の飲食環境のハラル対応が諸外国に比べ劣っているため、不自由を感じ生活しているという課題があります。ムスリムへのインタビューの声からは、ハラル対応レストランが少ない、スーパーでハラル対応の食材を簡単に見つけられない、日本での食事が心配、でも日本食は自国でも人気で本場の日本食を楽しみたい、という意見がありました。そこで、日本にいるムスリムの人々に、安心、簡単便利、アクセスが良い、本物の日本料理を提供したいと考えました。「ハラル対応冷凍ミールキットでお気軽日本食」は、おいしい日本食冷凍ミールキットで、ハラル保証、超簡単&便利です。競合分析や、構築中の優位性をまとめました。
チーム④「早期からキャリアを考えている学生の為のコンシェルジュサービス」
早期からキャリアを考えている学生の為のコンシェルジュサービスを提案しました。
現在の大学生の課題として、自分のキャリアを相談出来る人がいない、十分なキャリア知識がない等、納得のいく進路選択ができていないことがあります。そこで、イベント経験やメンバーの社会人のネットワークから、多くの社会人とのネットワークを構築できる優位性があるサービスを考えました。
チーム⑤「地域副業サポーターのマッチングプラットフォーム」
現在、世帯構成の変化や高齢化社会により、地域の支え合い(孤立支援)が求められています。地域のサポートが進まない原因に、サポーターの担い手不足=労働力の確保難が挙げられます。そこで、会社員の副業を活用した「地域サポーター」のマッチングプラットフォームを作ることで解決できると考えました。解決できると考えました。ビジネスモデル、UIイメージ、サービスの強みなどを提案し、ステップワイズに事業領域を拡大する構想を描きました。
1. Meetup Session
毎月1回、業界や業種を超えて、新規事業に対する課題や経験を共有。能動的に学び自分ごと化することで、自社の問題解決のヒントを得ることができます。
月1回、新規事業における6つのシーンをテーマに課題の共有とその解決法をディスカッションすることで学びを深めました。参加者メンバーがテーマごとにチームにわかれて事前調査、グループワークのファシリテーションを行う形で進められ、最終的に新規事業推進のためのPlayBookとしてコンテンツをまとめました。
2. Expert Session
毎月1回「実践知の学び」をテーマに、様々な業界、業種の革新者、専門家を招き、実践知や方法論を学ぶオンラインクローズドセッションを実施。
<セッションテーマ>
・サラリーマンから起業家へ〜固定化された発想、行動力を開放する〜(イントラプレナーシップ)
・スタートアップCEOに学ぶ価値交換のデザイン(ビジネスモデリング)
・小さく試して素早く学習するためのスキル(プロトタイピング)
・組織、仲間、顧客、パートナーの共感と協力を引き出す方法論(ストーリーテリング)
参加したチームは、それぞれに準備を重ねた事業案をピッチし、エキスパートからフィードバックを受けます。
3. 動画学習
手法、フレームワーク解説動画から各セミナー記録まで、参加者はいつでも試聴可能。
4. コラボレーション、メンタリング
BizMake、Slackでメンバーとの情報共有や、アイデアに対するフィードバック、自社の課題に対するディスカッションを実施。同じ志をもつ、組織外にいるメンバーとのコラボレーションを促し、社外のフィードバックを得ます。
・実践知を通し、自社での新規事業推進の方法論を確立したくてプログラムに参加しました。机上の情報ではなく、会社横断でリアルな情報を共有でき、状況に即した解決策の模索ができました。
・将来的なキャリアビジョンとして新規事業開拓をやりたくて参加しました。他流試合による刺激を沢山いただき、事務局のメンタリングやアドバイスに助けられました。途中参加でも追いつけるシステムに感謝しています。
・上司に誘われて参加しました。自社以外の考え方や知見をいただくことができ、インプットとアウトプットの機会があって学びになりました。
・自分でも新規事業を進めており、何か新たな発見や上司との折衝に役立つことがないかと思い参加しました。勢いで進めていた新規事業のそれぞれのことについて考えることができ、チームで取り組むことで士気が上がりました。ワークショップを計画進行する経験ができたことが印象に残っています。
・会社で新規事業創出を目指しており参加しました。Miro,Zoom,Slackをフル活用して、新規事業作りのツールも役立ちました。同じような悩みや立場の方々と議論でき、エキスパートセッションで普段話を聞くことが難しい方々に話を聞く機会を頂けたことが良かったです。
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Ventures Academyの事業責任者である株式会社bridgeの今井雄大からのコメントです。
『社内新規事業の課題を突破するためには社内ではなく、外に出ることが重要である。事業を創る人を創るためには同じ悩みを抱えた外の人と切磋琢磨し、実践者(エキスパート)からの示唆を得ながら実践する他流試合が一つの解であるという想いをもとにスタートしたVentures Academyでした。
月1のエキスパートからの学び、新規事業に取り組むうえでのPlaybookづくり、事業アイディアをピッチに昇華するインキュベーションプログラムなど参加メンバーの皆様が自発的に取り組んでいただけたことで運営側としても大変学びが多い1年でした。
これからも新規事業に挑戦される皆さんとイノベーションを起こすという難しい解に取り組んでいきたいと思いますので今後ともどうぞよろしくお願いいたします。』
インタビュー記事:企業内の新規事業づくりに特化した日本初のオンラインコミュニティ「Ventures Academy」が今必要なワケ
Ventures Academy
Ventures Academyは、新規事業に取り組む社内起業家が互いに刺激、触発しながら方法論を学び、実践知を共有するオンラインコミュニティーです。
現在進行形で事業を推進する企業、人の実践知を共有。机上の空論ではなく、生きた経験と再現性のあるフレームワークで事業を創る人をつくるための実験場です。